![]() 回転し軸方向に遊動するドラムを備えた車両用変速機のためのギヤ切替制御装置
专利摘要:
制御装置10は、電動機12と、減速ギヤ14と、電動機12によって減速ギヤ14を介して動作するシャフト16と、シャフト16に取り付けられたドラム18とを備えている。ドラム18は、シャフト16に、該シャフトとともに回転する一方、該シャフトに対して軸方向に自由に滑動することができる。ドラム18は、その円柱形の外側面に案内溝部20を有している。案内溝部20内で複数のスタッド22が案内される。各スタッド22は、並進移動するために、対応する切替フィンガ24に移動可能に接続されている。これにより、ドラム18の回転運動が切替フィンガ24の並進運動に変換され、予め設定された操作モードに従ってギヤの係合が制御される。制御装置10は、さらにロック装置32を備えている。ロック装置32は、同期及びギヤの係合の段階ではドラム18の並進運動をロックし、ギヤの係合が完了したときにドラム18の並進運動のロックを解除する。 公开号:JP2011510237A 申请号:JP2010542721 申请日:2009-01-15 公开日:2011-03-31 发明作者:カマル・モウラド;グイド・パニッツァ;マウリツィオ・ビージ 申请人:アウトマック・ディ・ビージ・インジェニェーレ・マウリツィオ・ソシエタ・イン・アコマンディタ・センプリチェAutomac Di Bigi Ing. Maurizio S.A.S.;シラ・ホールディング・インドゥストリアレ・ソシエタ・ペル・アチオニSILA HOLDING INDUSTRIALE S.p.A.; IPC主号:F16H63-10
专利说明:
[0001] 本発明は、独立形式の請求項1の前書き部に記載されているような、回転するとともにドラム中心軸方向に遊動するドラムが設けられた、車両用変速機(vehicle gearbox)とくに自動車用変速機のためのギヤ切替制御装置(gear shift control device)に関するものである。] 背景技術 [0002] 一般に、現代の機械式変速機は、常時噛み合う複数のギヤ対を備えた型式の変速機、すなわち第1シャフトないしは入力シャフトによって担持された駆動ギヤが1つ又は複数の第2シャフトないしは出力シャフトによって担持された各被駆動ギヤと常時噛み合い、かつ、駆動ギヤが第1シャフトとともに回転するよう該第1シャフトに固定して接続される一方、被駆動ギヤが1つ又は複数の第2シャフトに空転するように取り付けられた型式の変速機である。それゆえ、所望のギヤの結合ないしは係合(engagement)は、係合させて回転させるギヤに対応するギヤ対の空転ギヤを、対応するシャフトと結合させることにより実現される。このため、切替操作が完了する前に、したがって当該空転ギヤを介してのトルクの伝達が開始される前に、係合させるべき空転ギヤの角速度と、対応する第2シャフトの角速度とを同期させる、すなわち等しくする機能を有する同期装置が、各空転ギヤ又は1対の隣り合う空転ギヤに結合される。] [0003] 典型的には、同期装置は駆動部(driving part)を備えている。この駆動部は、その回転のために、スプライン結合により変速機の対応するシャフトに固定して接続され、かつ、円錐形の駆動係合面を形成している。この駆動係合面は、その回転のために駆動部と固定して結合されたスリーブと、係合している空転ギヤの円錐形の空転係合面と係合し、ひいては変速機の対応するシャフトと結合ないしは係合するようになっている。スリーブは、対応する切替フォークにより軸方向に滑動可能となっている。同期装置のスリーブには、これと係合する各空転ギヤに対して、歯が設けられている。この歯は、スリーブの軸方向の移動の結果、空転ギヤの対応する歯と噛み合うようになっている。これにより、空転ギヤと同期装置との間で、ひいては空転ギヤと変速機の対応するシャフトとの間でトルクを伝達することができるようになっている。] [0004] それゆえ、ギヤ切替操作すなわち変速操作は、最初に行われる同期ステップ(synchronization step)を有している。この同期ステップでは、スリーブの円錐形の係合表面を、これに対応する係合させるべき空転ギヤの円錐形の係合表面と当接させる。また、このギヤ切替操作は、2番目に行われる噛合ステップ(meshing step)を有している。この噛合ステップでは、スリーブの歯を、これに対応する係合させるべき空転ギヤの歯と噛み合わせる。同期装置のスリーブの軸方向の行程(travel)は、これらの各ステップに対応する。] [0005] 普通の手動の機械式変速機では、ギヤの切り替えは、運転者による手動式の操作レバー(control lever)の操作により行われる。操作レバーは、毎回、所望のギヤに対応するギヤ対の空転ギヤの同期装置と係合する切替フォークの軸方向の移動を生じさせることが可能である。] [0006] 運転者が普通の機械式変速機を連続した態様で操作することを可能にするために、変速機のシャフトと平行に配設された回転ドラムを備えたギヤ切替制御装置も知られている。このギヤ切替制御装置では、回転ドラムは、その外側の周面に1つ又は複数の案内溝を有している。この案内溝内において、並進移動のためそれぞれ変速機の対応する切替フォークに固定的に接続された複数のスタッドが案内される。ドラムの回転は、運転者によって与えられる指令に基づいて、減速ギヤに結合された駆動ユニット、一般的には電動機によって行われる。ドラムの案内溝の形状は、毎回、任意のギヤの係合を生じさせるための予め設定された操作モードに従って、ドラムの回転の結果として、スタッドひいては切替フォークの選択的な移動を生じさせるように設定される。] [0007] 特許文献1は、回転ドラムが設けられた車両用変速機のためのギヤ切替制御装置を開示している。この既知のギヤ切替制御装置によれば、ドラムは、電動機によって駆動される駆動シャフト上をその中心軸方向に遊動するように取り付けられている。ドラムの軸方向の背向する両端部に、1対のばねが配設されている。これらのばねは、ドラムが軸方向に関していずれかの方向に移動する結果、ドラムを基準位置ないしはニュートラル位置に復帰させる軸方向の付勢力を生じさせる。軸方向に遊動するドラムの使用は、ドラムの軸方向の移動により、変速機の製造の許容誤差(manufacturing tolerances)を吸収する(take up)ことを可能にする。実際、軸方向に遊動するドラムを用いることにより、切替フォークは、ドラムが当該ギヤの係合に対応する予め設定された角度位置に到達する前に、行程端部(end-of-travel)に到達すべきである。すなわち、ギヤ切替操作が完了すべきである。ドラムのさらなる回転は、ドラムが切替方向にフォークを押すのではなく、ドラムに軸方向にみて切替方向とは逆の方向の移動を生じさせる。] 先行技術 [0008] 独国特許出願公開第19543645号明細書] 発明が解決しようとする課題 [0009] 前記の先行技術文献(特許文献1)に開示されたギヤ切替制御装置においては、ばねにより予め加えられる負荷(preload)は、同期の前にギヤの係合を生じさせる大きさの振幅(amplitude)を伴うフォークの振動の発生を防止するために、同期のステップで切替フォークに十分な反力(reaction)を作用させるのに十分に高いものでなければならない。しかしながら、「短い(short)」変速機、すなわち係合の行程が予定された行程(nominal travel)よりも短い変速機の場合、ばねにより予め加えられる負荷が非常に高いと、切替操作の終了時にドラムが、切替フォークに上記負荷に相応する高い残留負荷(residual load)をかけることになるが、この残留負荷は必然的に変速機の寿命を短くする。さらに、ばねにより予め加えられる負荷を非常に高くするためには、これに相応する高出力の電動機を用いる必要があるが、これは必然的に変速機まわりの空間の利用効率(space availability)を低下させるとともに、変速機のエネルギ消費及び製造コストを増加させるといった問題を生じさせる。] [0010] それゆえ、本発明は、軸方向に遊動するドラムを用いることによる利点を維持しつつ、従来技術に係る上記問題ないしは欠点を解消することができる、車両用変速機とくに自動車用変速機のためのギヤ切替制御装置を提供することを目的とする。] 課題を解決するための手段 [0011] 前記の種々の目的は、本発明によれば、請求項1の特徴記載部分に規定された特徴を有する、車両用変速機とくに自動車用変速機のためのギヤ切替制御装置により完全に達成される。] [0012] 要するに、本発明は、ドラムの軸方向の移動が通常はロック装置(locking device)により防止される一方、ギヤ切替操作時には予め設定された時間間隔でのみ許容される、回転するとともに軸方向に遊動するドラム(floating drum)を有するギヤ切替制御装置を用いるといった技術思想に基づいている。] [0013] 本発明の好ましい実施態様に係る制御装置によれば、ドラムの円柱形の外側面(cylindrical lateral surface)に、変速機の切替フィンガ(shift finger)に接続されたスタッド(stud)が係合する案内溝部(guide groove)に加えて、ロック溝部(locking groove)が設けられている。そして、ロック装置(locking device)は、ロック溝部と係合して回転ドラムの軸方向の移動を防止するロック位置と、ロック溝部との係合を解除して回転ドラムが軸方向に移動することを可能にする非ロック位置との間を移動することができる停止部材(stop member)を備えている。さらに、ロック装置は、停止部材を、上記ロック位置と上記非ロック位置の間で移動させる制御機構(control mechanism)を備えている。] [0014] それゆえ、本発明に係るギヤ切替制御装置のドラムは、「要求により(on demand)」遊動するドラムであるということができる。かくして、本発明によれば、遊動式のドラムの利点を維持することができ、これと同時に上記従来技術の問題ないしは欠点を解消することができるということが、以下の説明により明らかとなるであろう。] [0015] とくに、本発明に係るギヤ切替制御装置は、以下の要求を満たすものであるということが分かるであろう。 制御装置による操作が可能な最大係合行程(maximum engagement travel)は、製造者によって供給される変速機の最大許容誤差(maximum tolerances)に応じた(comply)ものでなければならない。 ドラムは、軸方向に遊動して変速機の製造に係る許容誤差を吸収する(take up)ものでなければならない。 ドラムは、ギヤの同期の段階(synchronization phase)で軸方向にロックされなければならない。 ドラムは、係合の段階(engagement phase)の初期に軸方向にロックされ、これにより、ドラムに関連づけられた(associated)角度位置センサを1つだけ用いることにより、ギヤが適正に係合した状態と、ギヤが衝突した(crashing)状態とを区別することができるものでなければならない。 ドラムは、係合の段階が完了したときにのみ、すなわち係合されるべき空転歯車(idle gearwheel)の歯と、結合又は係合した同期装置(synchronizer)の歯とがトルクの伝達を確実に行うことができる程度に噛み合った(mesh)ときにのみ、軸方向の遊動が自由となるものでなければならない。そして、ドラムは、ギヤを同期させて係合させるのに十分な高さないしは大きさの負荷(load)を係合する方向にかけることができるものでなければならない(一般的には300Nないし500Nの範囲の負荷)。 ドラムは、係合行程の終点において、ギヤが係合を維持することを確実にするのに十分な高さないしは大きさの残留負荷(residual load)をかけることができるものでなければならない(典型的には50Nのオーダー(order)の負荷)。 制御装置は、ドラムが軸方向にロックされたときに、変速機の同期によって生じる力学的エネルギ及び慣性エネルギ(kinetic and inertial energy)を超えるエネルギを吸収することができるものでなければならない。] [0016] 本発明のもう1つの態様によれば、ドラムの円筒形のスカートないしは裾部(skirt)の外表面に形成されたロック溝部は、停止部材と係合する結果として、ドラムの軸方向の移動を生じさせるような形状に形成された曲線に沿って伸びている。ここで、ドラムの軸線方向の移動は、ドラム中心軸まわりのドラムの回転の結果として生じ、案内溝部によって生成されるスタッドの軸方向の移動と重複する(overlap)。かくして、可変行程カムシステム(variable-throw cam system)が得られる。ここで、スタッドと係合する案内溝部は、スタッドの所定の軸方向の移動を生じさせるように構成されたメインカムとして機能する。他方、停止部材と係合するロック溝部は、ドラムひいてはスタッドの軸方向の移動を生じさせるように構成された補助カムとして機能する。ここで、補助カムによって生成される移動は、メインカムによって生成される移動と重複するが、ギヤごとに異なるものであり、このため制御装置が搭載される特定の変速機によって各ギヤに対して実際に要求される係合行程に応じて、ドラムによって生成される操作行程(operation travel)を調節する(modulate)。] [0017] 補助カムを用いることにより奏する主な効果は、メインカムによって生成すべき行程を短縮することができ、ひいてはこれに相応してドラムの軸方向の長さを短縮することができることである。] [0018] 本発明のさらなる特徴及び作用効果は、添付の図面を参照しつつ説明する、純粋に非制限的な実施態様である以下の詳細な説明により明らかとなるであろう。] 図面の簡単な説明 [0019] 本発明の好ましい実施形態に係る自動車用変速機のためのギヤ切替制御装置の斜視図である。 図1に示す制御装置の一部を構成する、該制御装置に連結された1対の切替フィンガを伴った単一の案内溝部を有するドラムの斜視図である。 図2に示すドラムの円柱形の裾部の展開形状を示す図である。 図2に示すドラムの軸方向のロック装置を拡大して示した断面図である。 第1の外部操作形態に係る、図4に示す軸方向ロック装置の制御機構の模式的なブロック線図である。 第2の自動操作形態に係る、図4に示す軸方向ロック装置の制御機構の模式的なブロック線図である。 本発明のもう1つの好ましい実施形態に係る自動車用変速機のためのギヤ切替制御装置の斜視図である。 図7に示すギヤ切替制御装置の一部を形成する軸方向ロック装置の制御機構を模式的に示す平面図である。 図8に示す制御機構を詳細に示す斜視図である。 本発明に係るギヤ切替制御装置のドラムの変形例を示す斜視図である。 図10に示す変形例に係るドラムの裾部の展開形状を示す図である。] 図1 図10 図2 図4 図7 図8 実施例 [0020] 本明細書及び特許請求の範囲においては、軸方向(axial)及び径方向(radial)との語は、ギヤ切替制御装置が変速機に取り付けられた状態において、ドラムが、ドラム自体の回転軸が変速機の入力シャフト及び出力シャフトと平行となる状態における方向を意味することが意図されている。] [0021] まず図1を参照しつつ本発明を説明する。図1に示すように、本発明の第1の好ましい実施形態に係る自動車用変速機(図示せず)のためのギヤ切替制御装置には、包括的に参照番号10が付されている。] 図1 [0022] 制御装置10は、基本的には、次の構成要素を備えている。 電動機12又はこれと等価な(equivalent)その他の駆動装置(actuator device)。 減速ギヤ14(reduction gear)。 減速ギヤ14を介して、電動機12によって回転させられる駆動シャフト16。 駆動シャフト16に該駆動シャフト16とともに回転するように接続され、かつ駆動シャフト16に対して軸方向に相対的に摺動又は滑動する(slide)ことが可能な回転ドラム18(以下、略して「ドラム18」という。)。] [0023] ドラム18の円筒形のスカートないしは裾部(skirt)の外表面に案内溝部20が形成されている。この案内溝部20内で該案内溝部20によって、複数のスタッド22、典型的には4つのスタッド22(図1には1つのスタッドのみが記載され、図2には2つのスタッドのみが記載されている)が案内される(guided)ようになっている。各スタッド22は、これに対応する切替フィンガ24(shift finger)に該切替フィンガ24とともに並進する(translate)よう移動可能に(drivingly)接続されている。各切替フィンガ24は、これに対応する滑動可能な支持棒26(support rod)に固定して取り付けられている(secured)。この支持棒26は、変速機の滑動可能な対応する各係合スリーブを駆動するためのものである。] 図1 図2 [0024] 図1に示す実施例では、ドラム18にはすべてのスタッド22を案内する1つの案内溝部20が設けられているだけであるが、本発明は、複数の案内溝部、例えばそれぞれ1つのスタッドのみを案内する4つの案内溝部が設けられたドラムを備えている制御装置にも適用することが意図されていることはもちろんである。] 図1 [0025] よく知られているように、ドラム18は、電動機12により減速ギヤ14を介して駆動シャフト16に付与される回転運動を、スタッド22ひいては切替フィンガ24の軸方向の並進運動に変換し、これにより、予め設定された操作モードに従ってギヤの結合又は係合を制御する機能を有している。このため、案内溝部20は、ドラム18がいずれかの回転方向に所定の角度で回転する結果として、毎回(each time)、第1のスタッド22の移動(displacement)を生じさせ、結合又は係合しているギヤの結合又は係合を解除するとともに、第2のスタッド22(第1のスタッド自体であってもよい)の移動を生じさせて他のギヤを結合又は係合させるのに適した形状に形成されている。] [0026] 制御装置10にはまた、ドラム18の角度位置を示す信号を生成するとともに、ドラムの位置をフィードバック制御する変速機の電子制御ユニット(図示せず)にこの信号を送るための角度位置センサ30も設けられている(図1参照)。] 図1 [0027] 前記のとおり、ドラム18は、駆動シャフト16の中心軸と一致するドラム中心軸の方向に摺動又は滑動する(slide)ことができる。しかしながら、制御された方法(controlled way)でドラム18の軸方向の並進移動又は遊動移動をロックするために、制御装置10には包括的に参照番号32が付された軸方向ロック装置(axial locking device)も設けられている。] [0028] 図4〜図6により詳しく示しているように、図1に示す実施形態の制御装置においては、軸方向ロック装置32は、電気的・液圧的(electro-hydraulically)に駆動操作され、基本的には下記の構成要素を備えている。 まず、それ自体の中心軸方向すなわちドラム18の径方向に並進移動することができる径方向滑動部材36(radial slider)を備えた停止部材34(stop member)を備えている。この停止部材34は、そのドラム18に対向する方の端部で、もう1つの溝部40と係合するように構成された球体38(ball)を担持している(carry)。この溝部40はドラム18の円筒形の裾部の外表面に設けられている。以下、この溝部40をロック溝部40という。 さらに、図5及び図6において包括的に参照番号42で示す制御機構(control mechanism)を備えている。この制御機構は、通常は所定の力でもってドラム18に対して滑動部材36を付勢する(urge)ように配設されている。これにより、球体38は、好ましくはV字形の溝として形成されるロック溝部40と係合する。したがって、球体38は、ドラム18が軸方向に移動するのを防止する一方、他方では滑動部材36がドラム18から離反する方向に自由に移動することを可能にする。これにより、ドラム18はギヤの切替操作時に、予め設定された時間間隔で、軸方向に並進移動又は遊動することができる。] 図1 図4 図5 図6 [0029] 図5に示す第1の型式(version)によれば、制御機構42は、とくに変速機の前記電子制御ユニットによって外部から操作又は制御される。より詳しく説明すれば、制御機構42は、第1圧力室44と、第1配管L1及び第2配管L2を介して第1圧力室44と相互接続された第2圧力室46とを備えている。そして、第1配管L1には、第2圧力室46から第1圧力室44に向かう方向にのみ作動流体(working fluid)が流れるのを許容する逆止弁48(check valve)が配設されている。また、第2配管L2には、通常の状態(ソレノイドにエネルギが供給されない状態)では第2配管L2を閉じる2経路・2位置ソレノイド弁50(two-way two-position solenoid valve)が配設されている。第1圧力室44内では第1ピストン52滑動することができ、この第1ピストン52はロック装置32の停止部材34とくには滑動部材36に作用を及ぼす(act)ように配設されている。他方、第2圧力室46内では、ばね56により付勢された第2ピストン54が滑動することができる。ソレノイド弁50は変速機の電子制御ユニットによって制御される。] 図5 [0030] ソレノイド弁50にエネルギが供給されない(配管L2が閉じられている)状態では、ばね56は、第2ピストン54に予め設定された値の弾性力を作用させる。したがって、ばね56は、第2圧力室46内に収容された作動流体に所定の圧力を生じさせる。この圧力は、第1配管L1を介して第1圧力室44に伝達され、最終的には第1ピストン52ひいては停止部材34に所定の力を生成させる。かくして、停止部材34はロック位置に保持され、この位置で球体38はドラム18のロック溝部40と係合する。ドラム18のロック力(locking force)、すなわち停止部材34の滑動部材36に作用する力は、ばね56により予めかけられる負荷と、2つのピストン52、54すなわち2つの圧力室44、46の断面積とに依存することはもちろんである。] [0031] この状態は、変速機の電子制御ユニットによって、同期の段階においてギヤの切替操作時にギヤが結合又は係合するまで維持される。] [0032] 一旦ギヤが結合又は係合した後は、ドラム18は、変速機の製造に係る許容誤差に起因する付加の切替行程を吸収する(take up)ために、軸方向に自由に遊動する状態を保っていなければならない。このため、変速機の電子制御ユニットは、ソレノイド弁50にエネルギを供給し、軸方向ロック装置32の2つの圧力室44、46を、第2配管L2を介して互いに連通させる。この新たな状態においては、停止部材34は上向きに自由に移動することができ、これによりロック溝部40との結合又は係合が解除され、ドラム18が軸方向に自由に遊動することを可能にする。停止部材34の上向きの移動は、実際には、第1ピストン52の上向きの移動を生じさせ、第2配管L2を経由する第1圧力室44から第2圧力室46への作動流体の流れを生じさせ、ひいてはばね56の弾性力に抗する第2ピストン54の上向きの移動を生じさせる。] [0033] ドラム18の軸方向の並進移動が完了したときに、ソレノイド弁50へのエネルギの供給が停止され、この後に続くギヤの係合の解除操作に鑑み、ドラム18が通常の動作位置(working position)に復帰することを可能にする。このようにして、実際には、ばね56は、第2圧力室46内において第2ピストン54をその初期位置に復帰するよう付勢する(urge)。第1配管L1を介して第2圧力室46から第1圧力室44へ作動流体を流すことにより、第1圧力室44内において、第1ピストン52をその初期位置に復帰させることができ、ひいては停止部材34をロック溝部40の係合位置に復帰させることができる。一旦、通常の作動位置に到達し、停止部材34の球体38がロック溝部40のV字形の横断面の最下部に配置されたときには(図4参照)、制御装置10は、再び次のギヤの結合又は係合に適した状態となる。] 図4 [0034] ドラム18を軸方向にロックし又はロックを解除させる制御機構42を正確に動作させるためには、制御装置10は変速機に搭載されているときに自己学習処理(self-learning procedure)を実行することが必要である。この自己学習処理はまた、角度位置センサ30及び相対的な電気インターフェース(relative electric interface)の許容誤差を吸収する(take up)のに役立つ。] [0035] 自己学習処理は、基本的には、角度位置センサ30の最大値及び最小値を決定するステップと、種々のギヤの位置を学習するステップとを有している。] [0036] 角度位置センサ30の最大値及び最小値を決定するステップでは、電動機12は、ドラム18を両回転方向の行程の終点に位置させるこれらの行程終点位置(end-of-travel position)に対応する角度位置センサ30の値を検出するよう適切に操作される。このステップでは、ドラム18は軸方向に自由に遊動することができることが必要であり、このため制御機構42は、例えば前記の電気的・液圧的制御機構である場合はソレノイド弁50にエネルギを供給することにより、適切に操作される。一旦互いに逆の2つの回転方向についてのドラム18の最大の回転角が得られた後は、ニュートラル位置に加えて、各ギヤのためのドラムの最大行程(maximum throw)に対応する角度位置を算出することができる。この第1のステップが完了したときに、ドラム18は、次のギヤの学習ステップ(gear learning step)を実施するためにニュートラル位置に戻される。] [0037] ギヤ学習ステップは以下のように実施される。まず、ドラム18を軸方向にロックした状態で(ソレノイド弁50にエネルギを供給しない)、変速機の電子制御ユニットは、ギヤ(第1ギヤ又は後退ギヤ)が係合するよう制御装置10の電動機12を動作させる。ドラム18が軸方向にロックされるので、係合させるべきギヤに対応する切替フィンガが行程の終点に到達したときにドラムの回転が停止する。かくして、終点に到達したドラム18の角度位置は、制御装置10の通常操作時においてギヤが確実に係合しているギヤ係合位置(engaged-gear position)を示す。このギヤ係合位置を決定するステップを各ギヤに対して複数回繰り返し、この後に種々の検出値の平均値を算出するのが好ましい。この後、次々に、その他のすべてのギヤの学習について同様の処理が行われる。] [0038] 外部から操作又は制御される制御機構の代替的な実施例として、停止部材34を、自動制御機構、すなわち外部からの電気指令(electric command)を何ら必要としない機構により制御するようにしてもよい。この自動制御機構は、図6中において包括的に参照番号42で示している。なお、図6では、図5中の各構成要素に対応する構成要素には図5の場合と同一の参照番号を付している。] 図5 図6 [0039] 図6に示すように、制御機構42は、第1圧力室44と、第1配管L1及び第2配管L2を介して第1圧力室44と相互接続された第2圧力室46とを備えている。そして、第1配管L1には、第2圧力室46から第1圧力室44に向かう方向にのみ作動流体が流れるのを許容する逆止弁48が配設されている。また、第2配管L2には流れ抵抗器ないしは流れ制限器58(flow restrictor)が配設されている。第1圧力室44内には、停止部材34の滑動部材36に作用を及ぼす第1ピストン52が滑動可能に配設されている。他方、第2圧力室46には、ばね56によって弾性的に付勢された第2ピストン54が滑動可能に配設されている。したがって、図6に示す自動的に操作される制御機構42は、図5に示す外部から操作される制御機構とは、ソレノイド弁50の代わりに流れ制限器58が設けられている点で実質的に相違する。] 図5 図6 [0040] 制御機構42は、液圧ダンパーないしは液圧減衰器(hydraulic damper)の作動原理に基づいて動作し、又は、同期及び係合の段階におけるドラム18の角速度と係合の段階の後におけるドラム18の角速度との間の差を用いることにより、液圧減衰器の作動原理とは対照的な手法でより良く動作する。] [0041] より詳しく説明すれば、同期及び係合の段階が始まる直前に、軸方向にロックしなければならないドラム18は、通常は、予め設定されたやや高い角速度で回転させられる。通常は回転速度がゼロ(null)になる傾向がある、同期及び係合の段階の終点における流れ制限器58の反対方向の反力(counter-reaction)は、ドラム18が軸方向に並進移動するのを防止するように選択される。係合が完了したときに、他のギヤに切り替えることを可能にするために軸方向に自由に並進移動又は遊動することができる状態に維持しなければならないドラム18は、流れ制限器58の寸法が許す限り、より低い角速度で回転させられる。2つの圧力室44、46間を接続する第2配管L2に設けられた流れ制限器58により、制御機構42は、同期及び係合の段階においてドラム18の高速の動作状態に強固に(stiffly)反力を及ぼし(react)、第2配管L2を介して第1圧力室44から第2圧力室46へ作動流体が流れるのを阻止する。かくして、停止部材34の滑動部材36に対して付勢された第1ピストン52は、ドラム18が軸方向にロックされるのを確実にする。ドラム18の剛性(stiffness)は、明らかに、第2配管L2に設けられた流れ制限器58によって付与される抵抗ないしは制限(restriction)の量に比例するとともに、ドラム自体の速度に比例する。] [0042] 一旦係合ギヤ位置に到達した後は、ドラム18の速度が大幅に低下し、したがって停止部材34の滑動部材36がロック溝部40の底部から緩やかに離反する傾向があるので、流れ制限器58は第1圧力室44から第2圧力室46への作動流体の流れを弱く阻止し、ひいてはソレノイド弁50にエネルギが供給された状態で、図5に関してすでに説明したのと同様の手法で第1ピストン52が移動することを可能にする。] 図5 [0043] ドラム18は、第2圧力室46内に収容されている作動流体が、第1配管L1を介して、ばね56の作用のもとで第2ピストン54によって付勢される第1圧力室44へ流れるのを可能にする逆止弁48により移動して通常の作動位置に復帰する。] [0044] 外部から操作される型式の制御機構に比べて、自動的に操作される型式の制御機構42は、複数の増速側への又は減速側へのギヤの切り替えを実施するときには切り替えに要する時間はより長くなるが、ソレノイド弁を必要としないのでコストを低減することができるといった利点がある。] [0045] 球体38と、該球体38が係合するV字形のロック溝部40とが設けられた滑動部材36はまた、使用時に制御装置10が遭遇する振動及び揺動(jolts)にもかかわらず、ドラム18を係合ギヤ位置(engaged-gear position)に固定した状態を維持するための停止装置として機能してもよい。これに代えて、ドラム18の円筒形の裾部の外表面に形成された周縁溝部(circumferential groove)と係合するためのばねの負荷がかかった滑動部材を備えた独立の停止装置を設けてもよい。] [0046] 変速機の製造に係る許容誤差を吸収するためのドラム18の軸方向の並進移動は、ギヤ切替制御装置10の正確な操作に必要であるが、他方これは使用時にいくつかの問題を生じさせる。とくに、ドラムの軸方向の並進移動時には、ドラムは、ニュートラル位置に維持すべきスタッドひいては切替フィンガ24を引きずる(entrain)。これは、変速機の同期装置に損傷を生じさせるおそれがある。] [0047] このような欠点を解消ないしは補償するために、本発明に係るギヤ切替制御装置10では、好ましく、案内溝部20は、ドラムの周囲の全体にわたってではなく、周囲の一部においてギヤの係合行程を制御するのに必要な長さだけ伸びている。これにより、毎回、複数のスタッド22のうちの1つのスタッドのみが案内溝部内20を案内される一方、その他のすべてのスタッド22は自由な状態に維持される。] [0048] 案内溝部20はまた、その互いに背向する両端部に、毎回、案内溝部20との結合又は係合をより容易にするために、スタッド22の挿入(insertion)を行わせるための導入部20a(lead-in portion)を有している(図3参照)。] 図3 [0049] さらに、案内溝部20に係合せずにスタッド22に接続され、したがってニュートラル位置にある切替フィンガ24の望ましくない移動を防止するために、各支持棒26に対してばねの負荷がかかった反力装置(spring-loaded reaction device)が設けられている。この反力装置(図2参照)は、支持棒の溝部62と係合するように形成された球体60(ball)と、球体60に弾性力(resilient force)を作用させて球体60を溝部62内に保持する傾向を有するばね64とを備えている。] 図2 [0050] 図7〜図9に、本発明のさらなる好ましい実施形態に係る車両用変速機のためのギヤ切替制御装置を示す。なお、図7〜図9においては、図1〜図6を参照しつつすでに説明した第1の実施形態に係る部材及び構成要素と同一の又は対応する部材及び構成要素については、第1の実施形態の場合と同一の参照番号を付している。] 図1 図2 図3 図4 図5 図6 図7 図8 図9 [0051] このさらなる実施形態に係るギヤ切替制御装置は、第1の実施形態に係るギヤ切替制御装置とは、軸方向ロック装置が、電気的・液圧的に操作又は制御されるのではなく、電気的・機械的に制御される点で実質的に異なるだけである。それゆえ、このさらなる実施形態においては、軸方向ロック装置についてのみ詳しく説明するが、ドラムの構成及び作用に関しては、第1の実施形態に関してすでに説明しあるいは図示されたことが、このさらなる実施形態にも同様に当てはまることは明らかである。] [0052] 軸方向ロック装置は、基本的には、停止部材34と、揺動レバー66(rocking lever)と、スタッド形の(stud-shaped)ロック部材72と、アクチュエータ74とを備えている。ここで、停止部材34は、ドラム18の円筒形の裾部の外表面に設けられたロック溝部40と滑動可能に常時係合している。揺動レバー66は、その一方の端部で関節結合ピン68(articulation pin)により関節結合され、停止部材34の軸と垂直な平面内(すなわち、ドラム18の径方向と垂直な平面)で揺動する(swing)ことができるようになっている。また、揺動レバー66は、他方の反対側の自由な端部にノッチ70(notch)を有している。ロック部材72は、揺動レバー66の揺動軸と垂直な方向を向くそれ自体の軸を有し、ロック位置と非ロック位置の間で、それ自体の軸の方向に並進することができるようになっている。ロック部材72は、ロック位置ではノッチ70と結合又は係合し、これにより揺動レバー66が関節結合ピン68のまわりに揺動するのを防止する。ロック部材72は、非ロック位置ではノッチ70との係合が解除され、揺動レバー66が関節結合ピン68のまわりに揺動することが可能となる。アクチュエータ74は、ロック部材72に、変速機の電子制御ユニットの制御のもとで上記ロック位置と上記非ロック位置との間の軸方向の移動を生じさせるように配設されている。停止部材34は、ロック溝部40と係合する下側部分76と、ピン形の(pin-shaped)上側部分78とを備えている。上側部分78は、下側部分76と同軸状に伸び、ロック溝部40から径方向に突出し、揺動レバー66が関節結合ピン68に関節結合されている端部と、ノッチ70が設けられている端部との間においてその中間点(intermediate point)で揺動レバー66に関節結合されている。] [0053] スタッド72が揺動レバー66のノッチ70と係合するロック位置においては、関節結合ピン68まわりの揺動レバー66の揺動運動が防止され、ひいてはドラム18の軸方向の停止部材34に起こりうる移動が防止される。したがって、ドラム18は軸方向にロックされる。他方、スタッド72がノッチ70との係合が解除され、ひいては揺動レバー66が関節結合ピン68まわりに揺動することを可能にする非ロック位置においては、停止部材34は、もはやドラム18を拘束せず、したがってドラム18は軸方向に自由に遊動する。その上に関節結合ピン68が取り付けられた支持ブラケット82と揺動レバー66の間に介在するばね80は、揺動レバー66が自由に揺動することができるときに、揺動レバー66を、スタッド72を伴ったノッチ70の整列状態(condition of alignment)にする傾向をもつような態様で、揺動レバー66に作用を及ぼす。] [0054] 図10に示す実施形態において、図1〜図9(とくに図2)に示す実施形態に係る部材及び構成要素と同一の又は対応する部材及び構成要素については、図1〜図9に示す実施形態の場合と同一の参照番号を付している。図10に示すように、本発明のもう1つの有利な実施形態によれば、ドラム18のロック溝部40の展開形状(development)は、全体的には直線ではなく、少なくとも部分的には適切な形状で湾曲している。かくして、停止部材34との係合により、ドラム中心軸まわりのドラム18の回転の結果として、ドラム18の軸方向の移動を生じさせ、ひいては案内溝部20と係合しているスタッド22の移動を生じさせる。この場合、スタッド22の軸方向の移動は、案内溝部20によって惹起される軸方向の移動と、ロック溝部40によって惹起される移動の和ないしは合計(sum)の結果生じる。かくして、可変行程カムシステム(variable-throw cam system)が実現される。ここで、案内溝部20は、スタッド22の所定の軸方向の移動を生じさせるように配設されたメインカムとして機能する。他方、ロック溝部40は、付加の軸方向の移動を生じさせるように配設された補助カムとして機能する。ここで、付加の軸方向の移動はギヤごとに異なり、このため、ギヤ切替制御装置10が搭載される特定の変速機により各ギヤにおいて実際に必要とされる係合の行程に依存して、ドラム18によって生成される制御の行程(control travel)を調節する(modulate)ことができる。] 図1 図10 図2 図3 図4 図5 図6 図7 図8 図9 [0055] とくに、案内溝部20によって形成されたメインカムは、制御装置10が搭載される変速機のすべてのギヤにより要求される切り替えの行程(shift travel)の平均値に対応する行程(throw)を生成するように構成されている。他方、ロック溝部40によって形成された補助カムは、ギヤごとに、実際に要求される係合の行程と、案内溝部20によって形成されたメインカムの行程(throw)によって決定される係合の行程との間の相違(difference)を吸収する(take up)可変行程(variable throw)を生成するように構成されている。] [0056] 湾曲した経路に沿って伸びるロック溝部40を備えることによる主な効果は、ロック溝部20により形成されるメインカムによって生成されなければならない行程を短縮することができ、したがってこれに対応してドラム18の軸方向の寸法を短縮することができることである。また、ロック溝部40が直線の経路に沿って伸びる形態の装置に比べて、要求される係合の行程とドラムの回転によって惹起される係合の行程との間の差を吸収することが要求されるドラム18の軸方向の遊動の行程もまた短縮される。] [0057] 図11に、本発明の変形例に係るドラム18の案内溝部20及びロック溝部40の形状の一例を示す。なお、図11は、これらの2つの溝部の展開形状(development)の平面図である。図11から明らかなとおり、ロック溝部40はドラム18の周囲をその全体にわたって伸び、案内溝部20と少なくとも部分的に重複している(overlapping)湾曲部(curved length)を備えている。] 図11 [0058] 前記の実施形態及び詳細な構造は、純粋に非制限的な実施例として記載され図示されたものであるので、これらは本発明の原理を変更しない限り幅広く変更することができるのはもちろんである。] [0059] 10制御装置、12電動機、14減速歯車、16駆動シャフト、18回転ドラム、20案内溝部、22スタッド、24切替フィンガ、26支持棒、30角度位置センサ、32軸方向ロック装置、34停止部材、36径方向滑動部材、38球体、40 溝部、42制御機構。44 第1圧力室、46 第2圧力室、48逆止弁、50ソレノイド弁、52 第1ピストン、54 第2ピストン、56 ばね。]
权利要求:
請求項1 ドラム中心軸(16)の伸びる方向に並進移動又は滑動することができ、円柱形のドラム外側面に少なくとも1つの第1溝部(20)を有する回転ドラム(18)と、上記少なくとも1つの第1溝部(20)内を案内される複数のスタッド(22)と、それぞれ対応する1つのスタッド(22)に、該スタッドと並進移動するように接続された移動可能な複数の切替フィンガ(24)とを備えていて、上記少なくとも1つの第1溝部(20)は、上記ドラム外側面の少なくとも一部分において湾曲経路に沿って伸び、上記湾曲経路は、上記ドラム中心軸(16)回りの上記回転ドラム(18)の回転運動が上記スタッド(22)ひいては上記切替フィンガ(24)の並進運動に変換され、予め設定された操作モードに従ってギヤの係合及び係合解除を生じさせることができる形状に形成されている、車両用変速機とくに自動車用変速機のためのギヤ切替制御装置(10)であって、上記ドラム中心軸(16)に沿って上記回転ドラム(18)の選択的な並進運動をロックし又はロックを解除するように構成されたロック装置(32)をさらに備えていることを特徴とするギヤ切替制御装置。 請求項2 上記ロック装置(32)が、同期及びギヤの係合を行う段階では上記回転ドラム(18)の軸方向の並進運動をロックし、ギヤの係合が完了したときに上記回転ドラム(18)の軸方向の並進運動のロックを解除するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のギヤ切替制御装置。 請求項3 上記回転ドラム(18)が1つの第1溝部(20)を有しているだけであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のギヤ切替制御装置。 請求項4 上記第1溝部(20)が、上記回転ドラム(18)の円周の一部において毎回1つのギヤのみの係合を生じさせる長さを伸び、これにより毎回上記複数のスタッド(22)のうちの1つのものだけが上記第1溝部(20)内を案内される一方、その他のすべてのスタッド(22)が上記第1溝部(20)との係合を解除され、これにより、上記第1溝部(20)との係合が解除された上記スタッド(22)と連結された切替フィンガ(24)が、上記回転ドラム(18)の軸方向の並進運動時に並進するのを防止することを特徴とする、請求項3に記載のギヤ切替制御装置。 請求項5 上記第1溝部(20)がその互いに背向する両端部にそれぞれ導入部(20a)を有し、上記導入部が、毎回上記スタッド(22)が上記溝部に挿入されて該溝部と係合するのを容易にするように構成されていることを特徴とする、請求項4に記載のギヤ切替制御装置。 請求項6 上記回転ドラム(18)が、その円柱形の外側面に第2溝部(40)を有し、上記ロック装置(32)が、上記第2溝部(40)と係合して上記回転ドラム(18)の軸方向に運動をロックすることができる停止部材(34)を備えていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載のギヤ切替制御装置。 請求項7 上記停止部材(34)が、上記第2溝部(40)と係合して上記回転ドラム(18)の軸方向の運動をロックするロック位置と、上記第2溝部(40)との係合を解除して上記回転ドラム(18)が軸方向に移動することを可能にする非ロック位置との間を移動するようになっていて、上記ロック装置(32)が、上記停止部材(34)を、上記ロック位置と上記非ロック位置の間で移動させるように構成された制御機構(42)をさらに備えていることを特徴とする、請求項6に記載のギヤ切替制御装置。 請求項8 上記停止部材(34)が、上記ロック位置と上記非ロック位置の間で上記回転ドラム(18)の径方向に移動することができる滑動部材(36)と、上記滑動部材(36)に担持され上記第2溝部(40)と係合するように構成された球体(38)とを備えていることを特徴とする、請求項7に記載のギヤ切替制御装置。 請求項9 上記制御機構(42)が、上記停止部材(34)に動作的に結合された第1液圧ピストン(52)が室内に滑動可能に収容されている第1圧力室(44)と、第2ピストン(54)が室内に滑動可能に収容されている第2圧力室(46)と、上記2つの圧力室(44、46)に相互接続された第1配管(L1)及び第2配管(L2)と、上記第1配管(L1)に沿って配設され、作動流体が上記第2圧力室(46)から上記第1圧力室(44)へ向かう方向にのみ流れることを許容する逆止弁(48)と、上記第2ピストン(54)に、上記作動流体を上記第1配管(L1)に沿って上記第2圧力室(46)から上記第1圧力室(44)へ流れさせて上記停止部材(34)を上記ロック位置に移動させる方向の力を作用させる弾性手段(56)と、上記第2配管(L2)に沿って配設され、上記停止部材(34)が上記非ロック位置に移動するのが可能となるように、上記第1圧力室(44)から上記第2圧力室(46)への上記作動流体の流れを制御する流れ制御手段(50、58)とを備えていることを特徴とする、請求項7又は8に記載のギヤ切替制御装置。 請求項10 上記流れ制御手段が、第2配管(L2)を閉じて上記停止部材(34)を上記ロック位置に維持する第1位置と、第2配管(L2)を開いて上記停止部材(34)が上記非ロック位置に移動することを可能にする第2位置とをとることができる2経路・2位置ソレノイド弁(50)を備えていることを特徴とする、請求項9に記載のギヤ切替制御装置。 請求項11 上記ソレノイド弁(50)が、エネルギが供給されない状態で上記第1位置をとるように構成されていることを特徴とする、請求項10に記載のギヤ切替制御装置。 請求項12 上記流れ制御手段が、上記第2配管(L2)に沿って配設された流れ制限器(58)を備えていて、上記流れ制限器は、上記回転ドラム(18)が予め設定された角速度より低い角速度で回転するときにのみ、上記作動流体が上記第1圧力室(44)から上記第2圧力室(46)へ流れるのを許容するようになっていることを特徴とする、請求項9に記載のギヤ切替制御装置。 請求項13 上記停止部材(34)が、上記第2溝部(40)と常時係合し、これにより上記回転ドラム(18)に該回転ドラムとともに軸方向に並進するよう移動可能に接続され、上記ロック装置(32)が、上記停止部材(34)の軸方向の運動をロックし又はロックを解除するように構成された機構(66、74)をさらに備えていることを特徴とする、請求項6に記載のギヤ切替制御装置。 請求項14 上記機構(66、72、74)が、揺動レバー(66)とロックスタッド(72)とアクチュエータ(74)とを備えていて、上記揺動レバー(66)は、その一方の端部に関節結合部(68)を有し、これにより上記停止部材(34)の軸と実質的に一致する上記回転ドラム(18)の径方向と垂直な平面内で揺動することができ、かつ、上記揺動レバー(66)は、その他方の端部にノッチ(70)を有し、上記第2溝部(40)から径方向に突出している上記停止部材(34)の一部分(78)と係合し、上記ロックスタッド(72)は、上記ノッチ(70)と係合して上記揺動レバー(66)が揺動するのを防止しひいては上記停止部材(34)及び上記回転ドラム(18)が軸方向に並進するのを防止するロック位置と、上記ノッチ(70)との係合が解除されて上記揺動レバー(66)が揺動することを可能にしひいては上記停止部材(34)及び上記回転ドラム(18)が軸方向に並進することを可能にする非ロック位置との間で移動することができ、上記アクチュエータ(74)は、上記ロック位置と上記非ロック位置の間での上記ロックスタッド(72)の移動を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項13に記載のギヤ切替制御装置。 請求項15 上記ロックスタッド(72)が、上記揺動レバー(66)の揺動軸と垂直な方向へ並進することにより、上記ロック位置と上記非ロック位置の間を移動することを特徴とする、請求項14に記載のギヤ切替制御装置。 請求項16 上記第2溝部(40)が、上記係止部材(34)と係合する結果として上記回転ドラム(18)の付加の軸方向の移動を生じさせる形状に形成された少なくとも部分的に湾曲した展開形状を有し、上記付加の軸方向の移動は、上記回転ドラム(18)の回転の結果として上記第1溝部(20)によって生成される上記スタッド(22)の軸方向の移動と重複することを特徴とする、請求項6〜15のいずれか1つに記載のギヤ切替制御装置。 請求項17 上記第2溝部(40)が、ギヤごとに互いに異なる付加の軸方向の移動を生成する形状に形成されていることを特徴とする、請求項16に記載のギヤ切替制御装置。 請求項18 さらに、電動機(12)と、減速ギヤ(14)と、上記電動機(12)によって上記減速ギヤ(14)を介して作動される駆動シャフト(16)とを備えていて、上記回転ドラム(18)は、上記駆動シャフト(16)に取り付けられ、上記駆動シャフトとともに回転する一方上記駆動シャフトに対して軸方向に自由に滑動するように上記駆動シャフトに接続されていることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1つに記載のギヤ切替制御装置。
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